日本酒紹介

殿様へ献上していた日本酒を目指して 「月山(がっさん)」

島根県の日本酒「月山(がっさん)」はランキング上位のとても有名なお酒です。

そんな月山の酒蔵について、オススメのお酒やその特徴についてまとめてみました。

月山を製造する吉田酒造について

月山
島根県公式サイトより】

月山を作っている吉田酒造は文政9年(1826年)、広瀬藩の藩公特許による造酒館として創業され、190年を超える老舗酒造です。

ホームページでは「日本酒は美味しい、難しく考えずとも感じる日本酒の登竜門としての立ち位置を目指しています」と書かれていました。

日本酒は種類が多く、飲み方も様々あって難しいと感じる人も多いと思いますが、ただ美味しいと感じてもらえるシンプルな思いで今の月山が出来上がりました。

漁業の盛んな栄港(鳥取県)も近くにありますが、その甘さのあるお酒は魚と合わせても味の邪魔をしないスッキリとした口当たりがあります。

吉田酒造株式会社

692-0404 島根県安来市広瀬町広瀬1216

TEL:0854-32-2258

名前の由来

島根県安来市には月山(標高184m)の山がそびえ立っています。

戦国時代、ここには月山富田城(がっさんとだじょう)がありました。

自然の地形を生かしたお城作りは難攻不落と名高く、ゆるやかな山の上に建っていることから「天空の城」とも呼ばれていました

その土地で作られた日本酒、その中でも一番出来の良いものに「月山」という名前を付けることが出来、月山富田城の殿様へ献上していたという歴史が伝わっています。

この歴史的背景から吉田酒造は「殿様へ献上するほどの美味しいお酒を常に作り続けられるように」と目標を立て「月山」という名前を付けました。

月山富田城は1610年代、城主であった堀尾忠晴が松江城へ移ったことでその歴史を閉じました。

現在では跡地が残っており観光名所となっています。

なだらかで標高も高くないので短時間で気軽にいける場所です。

 

月山富田城 山中御殿跡
安来市観光協会より】

広瀬の超軟水

お茶の水井戸【島根県公式サイトより】

月山は造酒用水に島根県安来市広瀬「お茶の水井戸(おちゃのみずいど)」を使用しています。

もともとこのお水は広瀬藩の歴代藩主が愛飲し、この土地で有名な「不昧流(ふまいりゅう)」という茶道の一派が最高の水だ!と墨付きを得たお水です。

そのお茶の水井戸を復元し、現在は吉田酒造が所有し、敷地内にあります。

蛇口がついており無料で飲むことができます。

 

そして特徴的なのは「超軟水」のお水ということです。

柔らかい口当たりとミネラルが硬水に比べて少ないですが、雑味がなくお米本来の味や香りがとても出やすいのが軟水です。

日本酒は軟水を使用することがとても多いですが、その中でも超軟水で作られている日本酒はかなり少ないと言えます。

月山の特徴とオススメの種類

超軟水を使った月山は甘口が多く、香り高い日本酒がメインとなっています。

ですがただの甘口ではなく、その中に含まれる酸が後味を引き締めます。

甘口なのにキレのある味が月山の特徴です。

その中でもとくにオススメなお酒を紹介いたします。

月山 純米吟醸

月山 純米吟醸
吉田酒造株式会社HPより】

広島国税局清酒品評会「味を主たる特徴とする清酒」部門で優秀賞を連続受賞している「月山 純米吟醸」。

香りはもちろんサラっとした口当たりが飲みやすく、値段も720mlが1800円ほどでとてもお手軽。

月山の中でも多く飲まれているお酒です。

香りを楽しんで冷酒でもいいですが、味をしっかり味わえるよう常温で飲むのがおすすめです。

味は少し甘口です。

大吟醸 手搾り

月山 大吟醸 手搾り
吉田酒造株式会社HPより】

山田錦を35%まで精米した月山の中でも最高級な日本酒。

袋吊りで自然と垂れてくるお酒を斗瓶に詰めて作り出す少し変わった作り方をしています。

香りがとても高く、丹念に磨かれたお米はとてもなめらかな酒質を持ちます。

少し甘口めで、香りをより味わっていただけるよう冷酒で飲むといいでしょう

季節限定のお酒もとても人気があります

春限定「中取 無濾過生原酒(3月~)」

純米吟醸 中取 無濾過生原酒
吉田酒造株式会社HPより】

無濾過なので雑味がありますが、そのクセがたまらないという人もとても多くいます。

好みが結構分かれるお酒です。

甘口・冷酒がオススメ。

夏限定「涼夏5月~)」

純米吟醸 涼夏
吉田酒造株式会社HPより】
純米 涼夏
【吉田酒造株式会社HP】

スッキリとした口当たりが夏にピッタリ。

口にまとわりつくような濃厚さはないので冷酒でキンキンに冷やすと爽やかな味わいを楽しむことができます。

普通~やや辛口。

秋限定「ひやおろし(9月~)」

純米 ひやおろし
吉田酒造株式会社HPより】
純米吟醸 ひやおろし
吉田酒造株式会社HPより】

低温貯蔵庫でひと夏しっかりと熟成させたひやおろしはやや甘口ですが酸味もあるのでスッキリと飲め、香りが高いお酒です。

時期を考えると常温でもいいですが、飲む前に少し冷やすと香りがより膨らみます。

冬限定「しぼりたて(12月~)」

こちらは無濾過なので雑味がありますが、辛口に作られているのでさほど気にならないと思います。

常温で飲むのがオススメです。

発売日はその年の作り具合で変化しますので、ホームページ等でチェックしましょう。

定番を飲むのもいいですが、限定はその時期にしか取れなく貴重なお酒です。

気になった方は是非期間限定の日本酒も味わってみてください。

 

老舗酒造の信念やその歴史低背景があって作られた「月山」、いかがでしたでしょうか?

島根県外で置いてあるお店はあまり見かけないので飲んだことのない人が多いかと思います。

気になった方は通販でも売っていますので是非一度試してみてください。
【島根県公式サイト】http://www.pref.shimane.lg.jp/

【安来市観光協会】http://www.yasugi-kankou.com/index.php?view=5228

【吉田酒造株式会社HP】http://www.e-gassan.co.jp/

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すぎたま
日本酒メンター・福岡のきき酒師|“やさしい日本酒案内人”として日本酒をもっと気軽に楽しめるように情報をお伝えしています!|好きな銘柄は「風の森」「鳳凰美田」「田中六五」。|住吉酒販(福岡県)公認パートナー|唎酒師(ききさけし)・日本酒ナビゲーター|日本酒好き本職IT系サラリーマン|酒屋さんをはじめとするWebサイト制作やWebツール活用などのお手伝い
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