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【酒米から見た日本酒】全国で圧倒的シェアを誇る酒米の王様「山田錦」

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日本酒は原料となるお米の質が一番重要だとされています。

今では都道府県に固有の酒米があるくらい、色々なお米が日本酒のために品種改良されています。お米の歴史が日本酒の歴史と言っていいくらいに、日々酒米は研究されています。

ですが、数多くの酒米が出来ても酒米の王様と呼ばれる「山田錦」を超える酒米は未だありません

日本酒業界で圧倒的な地位のある酒造好適米「山田錦」についてご紹介します。

普通酒から高級酒まで!全国で圧倒的シェアを誇る酒米の王様「山田錦」

山田錦は「山田錦って日本酒の名前ですよね?」と言われるぐらい、「日本酒=山田錦」という代名詞にもなっている酒米です。

全国的にも日本酒の酒米としての知名度は山田錦が一番です

 

4合瓶で598円の山田錦の日本酒でも、有名酒蔵の一本5,000円する金賞受賞酒でも同じ山田錦です。

同じ酒米なのに作られる日本酒がピンからキリまであるとも言えますが、できる日本酒にそこまでの幅があるのも山田錦しかありません。

 

また、一般的に山田錦の産地は兵庫県で、兵庫県の山田錦が一番質が良く価格が高いと言われています。

この酒米の品質に関してもやはり上から下まであり、それぞれの品質に応じて使い分けて日本酒が造られています。

山田錦で造られた日本酒の味わい

山田錦で造られた日本酒の味わいですが、一番の特徴はボリューム感が強い事です

口の中での米の味のふくよかさが、他の酒米を使ったお酒よりも一層際立ちます。

食べるお米で言えば、新潟産コシヒカリのようなもので、お米の旨味も分かりやすく出た日本酒が多いです。

 

一概には言えませんが、お米の旨味が良く出る酒米なので、山田錦の日本酒は概ね味わい系の旨口な日本酒が多くなります

「YK35」という公式めいた言葉があります。

「山田錦を協会9号酵母で35%まで削って造れば金賞が取れる」というものです。

山田錦だと削っても損なわれない味わいの芯の太さがあるので酒蔵の一番高いお酒や鑑評会でこの35%という数字が使われています。

 

他の酒米ではここまで削ると、味気ない綺麗なだけで旨味が少ない日本酒になってしまいます。

ちなみに新酒鑑評会で、山田錦を使わないで金賞を取った例は限りなく少なく、山田錦以外で金賞を取ることは至難の業でもあるようです。

逆に言えば山田錦の酒米としての特性が高すぎるとも言えます。

代表的な山田錦を使った銘柄

山田錦を使わない酒蔵は見つける方が大変なほど、ほぼ全国すべての酒蔵で使用されています。

その中でも知名度のある山田錦の日本酒をご紹介します。

使う酒米は山田錦のみ!世界を魅了する日本酒「獺祭」

言わずと知れた世界規模で有名な日本酒「獺祭」

使うお米は山田錦のみというのも有名です

獺祭がブームになった最盛期には、獺祭を造るために蔵が市場の山田錦を買い占め、山田錦が品薄で高騰したことまでありました。

 

今では山田錦の味わいを知るのなら獺祭の飲むのが一番分かりやすいと思います。

お金に余裕があれば、精米別で飲み比べるのもおススメです。

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無濾過生原酒の走りの酒蔵!和歌山の日本酒「黒牛」

関西圏ではそこそこ知名度のある日本酒、和歌山県の銘柄「黒牛」

実は無濾過生原酒の走りの酒蔵であることはあまり知られていません。

定番品の多くが山田錦を使用していて、旨味の膨らみが良く出た日本酒です。風味は辛口ですが、旨味が強くキレイさもあり食中酒向けな日本酒です。

名前からではないですが、山田錦のボリューム感と後味のキレが肉系の料理とよく合います。焼肉やBBQには飲んでほしい一本です。

山田錦の産地兵庫県の日本酒の代表銘柄「剣菱」

山田錦の産地、兵庫の代表銘柄ともいうべき日本酒「剣菱」

代表銘柄ですが辛口なので今の甘口ブームでは若い人は飲んだ事がないという方が多いと思います。

またスーパーで売っていることが多く、特約店での扱いがほぼないので、日本酒好きな人の目に止まらないのかもしれません。

 

ですが、昔ながらの酒らしい辛口というのと、山田錦そして一部の熱烈ファンがいる酒米愛山の発祥酒蔵という、酒米や日本酒の話には欠かせないお酒でもあります。

正直今の時代の傾向ではない日本酒かと思いますが、味わい系辛口の日本酒が飲みたい人には是非飲んでみるのをおススメします。

スーパーやコンビニで手軽に買えるのも親しみやすい特徴の1つです。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

 

日本酒業界では燦然と輝いている山田錦ですが、近年「山田の酒は味が同じだから飽きた」という人もいます。

確かに王様であり、優等生でもある山田錦ですが、唯一の弱点を挙げるのならば、味の予想が付いてしまうことです。

 

色々な酒米が世に出てきて、場合によっては自社栽培品種もある中で、山田錦よりもまだ飲んだ事のない酒米の日本酒を選ぶ人が増えてきたように思えます。

しかし酒蔵の大吟醸の日本酒の多くが、山田錦を使ったものであるように、まだまだ山田錦が酒米の一番であることに変わりはありません

これは日本酒を造るのにこれ以上に適した酒米がないからということの裏返しとも言えます。

日本酒の世界で山田錦の地位が揺らぐことはないでしょうし、酵母の違いなど同じ山田錦でも様々な日本酒を味わうことができます。

ぜひこれからも山田錦の日本酒の様々な銘柄を試してみてくださいね!

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すぎたま
日本酒メンター・福岡のきき酒師|“やさしい日本酒案内人”として日本酒をもっと気軽に楽しめるように情報をお伝えしています!|好きな銘柄は「風の森」「鳳凰美田」「田中六五」。|住吉酒販(福岡県)公認パートナー|唎酒師(ききさけし)・日本酒ナビゲーター|日本酒好き本職IT系サラリーマン|酒屋さんをはじめとするWebサイト制作やWebツール活用などのお手伝い
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