おすすめの飲み方

リキュールから日本酒へ 味と企画の日本酒〜梅乃宿〜

居酒屋で梅酒や果実酒のメニューを見たときに、「あらごし」と書いてある梅酒や果実酒を見たことはないでしょうか?

 

日本酒ベースの果実酒の大手でもある、奈良県梅乃宿酒造のリキュールです。

 

梅乃宿という名前と、あらごしシリーズの果実酒が全国的に有名なので、日本酒を造っているイメージをあまり持たれていないのですが、実はとても企画的に日本酒を造っている酒蔵でもあります。

 

今回は、梅乃宿酒造の日本酒をご紹介します。

 

1. 日本酒は勉強させてもらってます

 

10年ほど前になりますが、果実酒ブームがありました。

 

そのブームを盛り上げたのが、「あらごしシリーズ」という梅乃宿の果実酒です。

 

当時では画期的な、あらごしした果肉がそのまま入っているリキュールとして大人気となり、今なお売れ続けています。

 

今では梅・桃・みかん・リンゴと、あらごしではないですが、ゆずも入れて5種類と、果汁をアップさせた限定2種類がシリーズとして発売されています。

 

それゆえに、「梅乃宿といえばリキュール蔵」というイメージが強く印象付けられてしまい、梅乃宿の日本酒を知らないという人がかなりいました。

 

ですが、蔵としては、

 

「リキュールで良い目を見させてもらっているので、日本酒は勉強させてもらってます」

 

と、謙虚に応えています。

 

言葉通り、梅乃宿の日本酒は価格が安いというのも特徴の一つです。

 

これは強みでもあり、企業努力とリキュールの恩恵とも言えます。

ですが、それだけではないのが梅乃宿です。

 

2. 安定した使い分けの定番品 純米3種

梅乃宿の日本酒には、コンセプトがはっきりとした、温・辛・吟という、3種類の純米があります。

 

◆温 特別純米


梅乃宿酒造HPより】

 

燗用に特化したお酒で、風味はやや甘く、普通くらいな甘辛の純米です。

 

生酛ブレンドの特別純米なので、コクと酸味が燗にするととても心地よく感じられます。

価格は2,000円程度です。

 

◆辛 純米吟醸


梅乃宿酒造HPより】

 

さわやかな香りを持った純米吟醸で、風味は名前通り辛く、すっきりとキレます。

常温では米の甘みが、冷やして飲むと夏にはピッタリの清々しい一本です。

 

価格は2,300円程度です。

 

◆吟 純米大吟醸


梅乃宿酒造HPより】

 

山田錦100%の、香り、味、余韻が自慢の価格以上の純米大吟醸です。

 

風味はやや甘く、大吟醸ならではの香りの広がりがあります。

 

軽く冷やすくらいがおすすめです。

 

あまりにも価格がリーズナブルなので、他の日本酒が売れなくなるので、隠しているお店もあるくらい、精度の高い純米大吟醸です。

 

価格は2,700円程度ですなのですが、温と辛も含め、値段以上の精度の定番品です。

 

実は逸話があり、蔵では値上げの声が何度か上がったそうです。

 

ですが、営業部長さんが「この3つだけは値上げせずにリーズナブルに飲んでほしい」と言って踏みとどまらせたそうです。

 

タイプも飲み方も違い、3つあれば色々なシーンに対応できるシリーズですが、定番ながらこの3つを扱える酒屋は蔵の方で厳選されているそうです。

 

梅乃宿の日本酒があるお店で、この純米3種があればそのお店は蔵に認められているお店ということになります。

 

3. 限定品の企画力

 

多くの酒蔵では限定商品では、通常品の生酒を出したり、新酒やひやおろしなどの季節品があります。

 

梅乃宿もそれらはありますが、不定期で出す商品や、すこし変わったテーマで出す商品などもあります。

 

UMENOYADO LABと名付けたシリーズでは、

 

 

・この米で作ってみたいお酒

・杜氏がずっと前から造りたかったお酒

・まったく新しい酵母や、蔵でやったことのない造りで作るお酒

 

など、コンセプトを社内で話し合い、意見を出し合い作りあげるシリーズとして人気があります。

 

また、蔵の若い人たちだけで作るシリーズとして、UKシリーズという物もあり、

 

例年はUK-1として甘みをテーマにしたお酒を、今年はUK-2として酸味をテーマにしたお酒としてリリースしました。

 

どちらもボトルデザインも意識して、幅広い人に手に取ってもらうための工夫もされています。

 

5. おわりに

 

梅乃宿酒造は、日本酒業界には珍しい会社としての酒蔵としての側面もあります。

家族経営や、ほぼ一人社長でやっている酒蔵も多い中、企業として、部門を持ち、顧客ニーズや意見を吸い上げ、杜氏がいる中でも、社員一人一人が意見を出し合い、お酒造りに関わっています。

 

企業として日本酒を造っている酒蔵はいくつもありながら、そうした蔵は杜氏がいないことが多いです。

 

ここまで血の通った会社として日本酒を造っている酒蔵も珍しいと思います。

 

奈良県は日本酒発祥の地として一説にあります。

 

そうした場所にこういう酒蔵があるのは、日本酒飲みとして嬉しいものです。

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Sugitama
Sugitama
管理人:Sugitama 日本酒大好きな関西人。 日本酒がある小さな居心地の良い居酒屋を探すのが好き。 好きな銘柄は「冩楽」「而今」。 日本酒専用冷蔵庫のコレクションから選んで晩酌するのが幸せ。 日本酒の銘柄や各都道府県のまとめ記事、風味別などで検索して見てください。 2017年11月 日本酒ナビゲーター資格取得(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)認定) 2019年1月 唎酒師資格取得
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