日本酒紹介

ヨーロッパ、ノルウェー初の日本酒〜裸島(はだかじま)〜

今や日本酒は日本だけでなく、アメリカ・ヨーロッパで飲まれ、さらにはその土地で作られるようにもなりました。

今回はヨーロッパ初の日本酒ノルウェーのNøgne Ø(ヌグネ・オー)社の「裸島」について、ノルウェーの土地柄なども踏まえてどういった経緯で日本酒を作るようになったのか等、調べてみました。

Nøgne Ø社(ヌグネ・オー)

ノルウェー最大規模のビール会社であるNøgne Øがヨーロッパ初の酒蔵を構え、日本酒製造をすることになりました。

Nøgne Øの作るクラフトビールは個性的な風味でノルウェーではとても人気があり、レンストランなどの飲食店でよく目にします。

ビールの醸造自体2003年からと近年出来たばかりの会社ですが数十年でここまで有名な酒会社として発展しました。

日本にもわずかですが輸出していて500ml、1000円 少し値段は高いですが興味のある方は是非味わってみてください。

醸造所はノルウェー南部のグリムスタにあります。

Nøgne Øで日本酒を作られるようになったのは2010年。

豊かな風味ある日本酒を作りたいと、より古くて伝統的な山廃仕込み、酒米は北海道産の吟風(ぎんぷう)を輸入、お水は雪解け水を使用しています。

 

ノルウェーってどんなところ?

 

ノルウェーの街並み
地球の歩き方 特派員のブログより】

北ヨーロッパ、スカンジナビア半島西部に位置するノルウェー王国。

島々を含めた土地面積はほぼ日本と同じくらいですが、人口は日本の約4%の500万人。

冬(11月~3月)は平均で氷点下3~5度、春・秋が0~10度、夏は15度前後と一年通して温度が低いです。

北極圏に近いので太陽がずっと沈まない白夜は6・7月、反対に太陽の昇らない極夜は12・1月に訪れます。

ノルウェーのフィヨルド(氷河によって形成された湾・入り江)がとても有名で日本人の観光名所の一つです。

その中でも西ノルウェーフィヨルド群ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルドはユネスコ世界遺産に登録されています。

もう一つ、ノルウェーの特徴と言えば税金です。

最も税金の高い国で物価がとても高いのが特徴です。

日本人から見ると高い税金と聞くと不安に思うところがありますが、国民から得た税金は国民の為に手厚く使われています。

例えば教育費(高校、大学含む)や医療費は基本的に無料としています。

国の福祉社会がとてもしっかりしているので国民の満足度は高く、人の豊かさを指す「人間開発指数(HDI)」12年連続トップを誇っています。

 

Nøgne Øの日本酒

作られている日本酒は純米、純米吟醸、山廃酛しぼり、スパークリングなど全6種類あります。

裸島
Nøgne Ø HP(英語)より】

ノルウェーの風土や精神を表現することを目的に日本酒を作っています

なので酒米はノルウェーと緯度の近い北海道産「吟風」を使用しています。

水はグリムスタの雪解け水を使用しています。

日本の日本酒に比べて酸味が強いのですが、ミネラル分の多い雪解け水のおかげで後味はとてもスッキリしています。

ヨーロッパの人々は酸味が強くドライなのどごしを好む傾向があるので、ただ日本の日本酒を真似るだけではなくアレンジを加え、消費者のニーズに合わせて作られたのだと思います。

スパーグリングは軽くて甘いフルーティーなお酒なので、ワインやカクテルのように飲み楽しむことが出来ます

寒さで降り積もる雪のお水、一年間通して低温度の地であるノルウェーは日本酒作りにとても適していると言えます。

 

日本酒作りのきっかけ

創設者であるブルック・ベネット氏は仕事で日本に来ることが多々ありました。

そこで日本酒と出会い来るたびに飲んでいましたが、飲むだけでは足らず自分で作りたいと考えました。

世界にはまだまだいろんな種類のお酒があり日本酒もその一つ、ノルウェーでも作らねば!と決意したそうです。

実際のところまだ売り上げも良くなく、日本酒を口にしたことがないノルウェーの人たちからは「これはお酒じゃない!」というマイナスな反応をされることもあるそうです。

アジアやアメリカに比べて日本酒が浸透していないせいでしょう。

それでも作り続けた結果、2013年ロンドンで開かれた第一回SAKE品評会では「裸島 山廃酛しぼり」が金賞「裸島 純米」は銅賞を受賞しました。

作り始めて間もないのに受賞できたことは大きな成果であり、醸造する人々のヤル気にも繋がりました。

まだまだ課題はたくさん残っていますが、これからも作り続けてノルウェーで一番の日本酒になれるよう応援したいです。

そしてそのお酒が日本でも認められてたくさんの人に飲まれる時が来るように、今後の展開がとても楽しみです。

 

いかがでしたでしょうか?

ヨーロッパと言えばビールやワインというイメージがありますが、日本酒がレストランなどの飲食店に並ぶ日は近いのかもしれませんね。

裸島もまだまだ知名度は低いですが、これからもより美味しい日本酒作りを研究して作り続けてほしいです。

気になった方はインターネット通販で買えますので是非一度ノルウェー産の日本酒、味わってみてください。

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すぎたま
日本酒メンター・福岡のきき酒師|“やさしい日本酒案内人”として日本酒をもっと気軽に楽しめるように情報をお伝えしています!|好きな銘柄は「風の森」「鳳凰美田」「田中六五」。|住吉酒販(福岡県)公認パートナー|唎酒師(ききさけし)・日本酒ナビゲーター|日本酒好き本職IT系サラリーマン|酒屋さんをはじめとするWebサイト制作やWebツール活用などのお手伝い
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